オーガニックワインとは、化学肥料や農薬を使わずに栽培されたブドウから造られたワインです。
これらのワインには、どのような特徴があり、本当においしいのでしょうか。
ブドウ本来の味わいが楽しめる
化学肥料や農薬は、ブドウの味や香りを損なったり、ブドウの樹勢を強めてしまうため、ブドウの果実味が薄くなってしまうこともあります。
オーガニックワインは、それらを使わないことで、ブドウ本来の味わいをしっかりと感じることができるのです。
酸化防止剤の使用量が少ない
オーガニックワインは、化学物質を使用しない生産方法を採用しています。そのため、酸化防止剤も、できるだけ使用量を少なくすることが求められています。
具体的には、EUのオーガニックワイン規格では、スティルワイン(発泡性ワイン以外のワイン)の総亜硫酸塩量の上限が、赤ワインは100mg/L、白ワインは150mg/Lと定められています。これは、日本の食品衛生法によるワインの総亜硫酸塩量の上限350mg/Lに比べて、半分以下程度となります。
また、米国のオーガニックワイン認証機関であるUSDAは、スティルワインの総亜硫酸塩量の上限を100mg/Lと定めています。これは、EUの基準よりもさらに厳しいものです。
このように、オーガニックワインは、酸化防止剤の使用量を少なくすることで、化学物質を極力使用しない生産方法を実現しています。
身体にやさしい
しかし、オーガニックワインが全ての人にとって必ずしも「身体に優しい」とは限らないことを理解してください。個々の体質や健康状態により、反応は異なるかもしれません。また、オーガニックワインでも添加物は少量ながら含まれています。これは、添加物の一つである酸化防止剤には殺菌効果があるため、全く使わないと加工過程でブドウにカビが生えたり、ワインに雑菌が繁殖したりする可能性があるからです。 したがって、オーガニックワインを選ぶ際には、認証マークの有無を確認することが推奨されます。これは、オーガニックワインが有機農法で作られ、しかるべき機関により認証を受けたワインだという証です。そしてオーガニックワインの選択は、個々の健康状態、好み、価値観に基づいて行うべきです。
個性的な味わい
これらの特徴は、その土地の気候や土壌、そして醸造家の技術や哲学が反映されています。これがオーガニックワインが他のワインとは異なる、ユニークな味わいを持つ理由です。
価格が高い
一般的に、大手メーカーが大量に生産するテーブルワイン類は、ブドウの栽培においても醸造においても合理化されており、毎年安定した味わいでリリースされ、消費者はリーズナブルな価格で購入することができます。
しかし、オーガニックワインは、ブドウの栽培においては化学的に合成された肥料や農薬を使用せず、自然に近い環境で栽培されたブドウから造られます。このため、ブドウの栽培には非常に手間がかかります。
また、気候条件等により年によっては不作となり、供給が安定しないこともあります。
これらの理由から、オーガニックワインの価格は高めになります。
まとめ
つまり、オーガニックワインには、「人間と自然の共存」という哲学が込められて、ブドウ栽培から醸造までが行われているのです。
このような醸造家の思いが詰まったオーガニックワイン、ぜひ一度、飲んでみてはいかがでしょうか。
余談
オーガニックワインや自然派ワインは、第三者機関の認証を受けたものを選ぶようにしましょう。また、商品名だけで判断せず、ラベルに記載されている情報をよく確認するようにしましょう。